ICO(国際コーヒー機関)によると日本人は平均で1週間に10杯コーヒーを飲むそうです。
この記事を読んでいるあなたも毎日2杯以上コーヒーを飲んでいるのではないでしょうか?
今回は気になるコーヒーを毎日飲むことによる健康へのメリットやデメリットを科学的な根拠からまとめました。
また、1日に何杯コーヒーを飲むのが適切かも解説しています。
コーヒーを毎日飲むと体はどうなる?
コーヒーを毎日飲むと体はどうなるのか?
結論めちゃくちゃ良い効果がもたらされます。
コーヒーは薬といっても過言ではないほど信じられないぐらいの効果を私たちにもたらしてくれます。
このことは今や膨大なエビデンスによって裏付けられています。
2022年の最新研究によるコーヒーの種類による効果の違い
コーヒーと言ったっていろんな種類のコーヒーがあります。
例えば砂糖が入ったコーヒーや、人工甘味料が入ったコーヒー、砂糖が入っていないブラックコーヒーなど。
コーヒーが私たちの健康にどんな影響をもたらすんだということを調べたこれまでの研究はコーヒーの種類を区別していなかったわけです。
例えばコーヒーを飲むことによって死亡リスクが低下するということは以前の研究で明らかになっていましたがコーヒーの種類は区別されていなかったんです。
一般的に砂糖は健康に悪いということは常識となっておりますので例えば砂糖が入ったコーヒーはどうなんですかということは結構気になるポイントだと思います。
そこで2022年の最新研究が参考になります。
この研究では下記の3種類をキチンと区別した上でコーヒーは健康にどれだけ影響をもたらすのかが調査されたんです。
- ブラックコーヒー
- 砂糖入りのコーヒー
- 人工甘味料入りのコーヒー
約17万人のデータを分析したところ7年間の調査機関においてブラックコーヒーと砂糖入りコーヒーは死亡リスクを低下させたということが わかりました。
一方で人工甘味料入りのコーヒーだけは明確な結果が得られませんでした。
もう少し具体的に申し上げるとコーヒーを飲まない人に比べてブラックコーヒーを飲んでいた人は飲む量に関係なく死亡リスクが16%から21%低下しました。
そして砂糖入りコーヒーを1日1.5から3.5 杯飲んでいた人は死亡リスクが29から31%低下するということが明らかになったんです。
ちなみにここでいう砂糖入りコーヒーはコーヒーいっぱいあたり平均して小さじ1 杯3G程度の砂糖が加えられたコーヒーのことであります。
今回の研究からわかるのはブラックコーヒーと砂糖入りコーヒーは両方死亡リスクを下げてくれる一方で人工甘味料のコーヒーは死亡リスクを低下させないということであります。
そしておそらく多くの人が気になっているのが砂糖入りコーヒーの方が死亡率低下していることでしょう。
砂糖が健康に悪いというのはもはや疑いようのないことですが、なんで砂糖を加えた方が今回の研究で死亡リスクが下がった のかということについては正直なところちょっとよくわからないです。
しかし注意するべきことは今回の砂糖入りコーヒーというのはコーヒーいっぱいあたりですよたったの砂糖が3G程度しか入っていなかったということよく考えてみればわかりますがコーヒーいっぱいあたり3Gってめちゃくちゃ量少ないですよね。
普段売られている甘いコーヒーとかは100mlあたり10gとかあるいはそれ以上入っております。
それに比べるとめちゃくちゃ少なくてまあかなりブラックコーヒーに近いものだと言えます。
日本人を対象にした研究によるコーヒーの効果
ではもう一つコーヒーの効果を調査した日本人を対象にして行われた信頼できる研究を紹介しましょう。
日本人を対象にして行われたものになりますのでこれは大いに参考になると思います。
この研究では調査開始の時点で脳血管疾患、虚血性心疾患の起用がない40歳から69歳までの日本人9万914人を対象に行われたものになります。
参加者に健康調査を行って平均で18.7年という長期間の経過観察を行ったところコーヒーの驚くべき健康効果が明らかにになったんです。
具体的な結果が下記になります。
コーヒーを飲まない人と比較しコーヒーを飲む人は1日平均で1杯以下の人は9%
1から2杯飲む人は15%
3から4杯飲む人は24%
5杯以上飲む人は15%それぞれ優位に総死亡のリスクが低下していたんです。
この 研究から1日にコーヒーを3から4杯程度飲むのが良いだろうということが推測されるわけです。
コーヒーに含まれるポリフェノールの効果
そしてコーヒーは死亡リスクを下げてくれるだけではなくて老化を防止してくれたり、若返りにつながるということも指摘されているんです。
コーヒーの成分といえば最も有名なのはカフェインですがポリフェノールもたっぷりと含まれております。
実はこのポリフェノールがアンチエイジングに効果的な成分なんです。
例えばポリフェノールは血管の老化を防いでくれるということがわかっています。
人は血管から老いるという言葉があるように血管の老化は全身の老化に直結します。
だから血管の老化を抑えることが老化しないためには超重要なんですが、それでこのポリフェノールが良い働きをしてくれるというわけなんです。
ポリフェノールは肌にも良い影響を与えてくれます。
私たちを老化させる原因の一つは 活性酸素という物質であります。
この活性酸素を除去することによって老化を予防することができるとされている んです
ポリフェノールにはこの活性酸素を減らしてくれる抗酸化作用がありますからシミやたるみなど肌の老化を予防する効果が期待できるというわけです。
ハーバード大学によるコーヒーのメンタルへの影響の研究
実はコーヒーを飲むことは メンタルに良い影響をもたらしてくれると いうことが研究によって明らかになっているんです。
例えばハーバード大学が女性5万人を対象にして行った研究では1日4杯以上コーヒーを飲む女性はうつ病のリスクがなんと20%も低かったと発表されました。
これはコーヒーを飲むことによって脳の気分を良くする化学物質であるドーパミンが増加することなどが関係していると推測されております。
コーヒーと糖尿病の研究
2014年に行われた110万人以上という膨大なデータを解析した研究によるとコーヒーをたくさん飲む人ほど2型糖尿病のリスクが低下していたということも明らかになっているんです。
コーヒーを飲まない人と比較し1日3杯飲む人では約20%、5杯飲む人で30%ほど 糖尿病になるリスクが低下していました。
1日に飲んでいいコーヒーの量
まず1日あたり何杯ぐらいコーヒーを飲んでもいいのかというお話をしていきましょう。
1日に何杯までは飲んでOKですとここでズバッと皆 さんにお伝えできればいいんですが実はそういうわけにはいかないんです。
ある程度の目安はお伝えできますが言い切ることはできません。
なぜならば世の中には遺伝的にカフェインに強い人と遺伝的にカフェインに弱い人の2種類がいるからであります。
遺伝でカフェインへの耐性が変わる
カフェインの強さは 次のように3段に分類されております
1つ目が 高カフェイン感受性。
これに当てはまる人は最もカフェインに敏感な人であり1日に100MG以下のカフェイン。
例えば コーヒー1から1.5杯分でも不眠や焦り心拍数の上昇などが起き大量になると睡眠トラブルを起こす可能性もあるので 注意が必要な人たちです。
そして2つ目が中カフェイン感受性です。
これに当てはまる人は1日200から400mgまでのカフェインすなわちコーヒー2から3杯程度ならば副作用が起きません。
大多数の人はここに含まれるとされていますですからおそらく皆さんの大半もこの中カフェイン感受性になると思います。
そして 3つ目が低カフェイン感受性です。
これに当てはまる人はカフェインの肝臓での代謝が早くて大量のカフェインを摂取したとしても問題が起きない人たちです。
睡眠前にコーヒー 飲んでもぐっすり眠れる人などのことで 全人口の10%程度とされています。
さていかがでしょうか世の中にはカフェインに強い人と弱い人がいるわけです。
皆さんも自分がカフェインに強いのか弱いのかということをすでにある程度は把握していると思い ます。
ですから自分のカフェインの強さに応じてコーヒー を飲む量を決めていただくと良いでしょう。
高カフェイン感受性の人の対策
自分の体の声を聞いた結果、高カフェイン感受性に当てはまってしまいコーヒーが ほとんど飲めない人もいるでしょう。
そんな人はコーヒーのメリットを享受することができないのでしょうか?
いやいやそんなことはありません。
世の中にはデカフェコーヒーやカフェインレスコーヒーといったものもあります。
カフェインに弱い人はカフェインレスコーヒーなどを飲むことによってコーヒー のメリットを享受することができる でしょう。
普通のコーヒーと完全に同じとまでは言い切ることはできませんがカフェインレスコーヒーにもコーヒーと同様に例えば2型糖尿病のリスクを下げてくれるとか心血管疾患のリスクを下げてくれるということがわかっています。
また別にカフェインを抜いたからといってその他のポリフェノールなどの有効成分は普通のコーヒーと同じです。
コーヒーは1日4杯ぐらいが上限
ではカフェインに敏感か鈍感かには個人差があるということを踏まえた上でコーヒーは何杯まで飲んで良いのかということについてある程度の目安もお伝えしておきましょう。
ハバード医学教授が教える健康の正解という本の著者ハーバード大学医学大学院教授のチョプラ氏は本書の中で次のように述べております。
民謡クリニックはほとんどの健康的な成人にとって4杯は安全だろうとしている。
アメリカ医師会は2、3杯が標準で10杯は飲みすぎだという。
また心臓の健康に関する35万人以上の参加者のデータを調べたある大規模な研究では1 日4杯までは効果があるだろうとしています。
先ほど紹介した日本人を対象とした研究では1日にコーヒーを3から4杯飲む人の総死亡リスクが最も低下していましたね。
この辺りを参考にしつつ多くの人は中カフェイン感受性に当てはまることも踏まえると1日4杯ぐらいが上限ではないかと推測されます。
コーヒーに潜む3つのデメリット
どんな症状が出たらコーヒーを飲むのを控えた方がいいのかなどを解説していきます。
デメリットがすでに出ている人は飲み過ぎだと思われるのでもっと量を控える必要があるでしょう。
コーヒーを飲みすぎた場合のデメリットは次の3つです。
- カフェインオーバードーズ
- 不眠症などの睡眠のトラブル
- 不安やストレスが増す
ではそれぞれ具体的に一つずつ取り上げて解説していきます。
カフェインオーバードーズ
コーヒーを過剰摂取した結果としてカフェインも過剰摂取することになりカフェインオーバードーズという問題が発生してしまいます。
皆さんご存知のようにカフェインは眠気を吹っ飛ばし私たちの脳をクリアな状態に変え、集中力を高め長時間何かに没頭することを可能にしてくれます。
ですが実はカフェインはアルカロイドの一種であり、かなり強力な精神刺激性のドラッグであります。
あまりにも身近にカフェインが入ったものが溢れているからそう言われてもピンとこない人がいるかもしれませんが、カフェインは強力な精神自力性のドラッグであるということを忘れないでください。
例えばカフェインを摂取しないと私頭働かないんです。とかカフェインがないと私仕事できませんといった状態にすでになっている人はカフェイン依存症に陥ってしまっていると言えます。
ではカフェインは具体的に1日あたりどれぐらい取っても大丈夫なのでしょうか?
アメリカ人のための食事療法ガイドラインによると1日あたり約400MGのカフェインは健康的な量のカフェインとみなされます。
これは1日あたり約4杯程度のコーヒーに相当します。
またメイヨウクリニックによるとカフェインの推奨量は健康な成人の場合1日あたり最大400 MGであります。
この量を超えて摂取するとカフェインの過剰摂取が発生する可能性があります。
もちろん最初の方で説明した通りカフェインに対する反応は個人差があるので一概に言うことはできませんが、 例えば次のような症状が現れているならあなたはすでにカフェインを過剰摂取してしまっていると言えます。
- めまい
- 喉の渇きの増加
- 不眠症
- 頭痛
- 心拍数の増加
このような症状が現れている人はカフェインの量を減らしましょう。
不眠症などの睡眠のトラブル
カフェインの副作用として不眠症などの睡眠への悪影響はかなり有名ですよね。
夜眠れないと長年悩んでいた人がカフェインの量を減らしたら長年の悩みが嘘のように一発で スッキリ眠れるようになったという話もよく聞きます。
皆さんも今睡眠に何かしらの問題を抱えているのならばデカフェコーヒーに切り替えるなどして 一度カフェインを減らした生活を送ってみて眠れるようになるかどうかチェックしてみると良いでしょう。
そして多くの人が知っているようにほとんどの睡眠に関する本にはカフェインを正午以降あんまり取らない方が良いよと書かれております。
というのもカフェインというのは私たちが想像している以上に 私たちの体の中に長く居座ってしまい夜寝ようかと思った時にもまだカフェインが体内に残っていて睡眠の邪魔をしてしまうからであります。
例えばアメリカ睡眠医学界によると、カフェインの半減期は約5時間だそうです。
半減期とは薬成分の血中濃度が半減するまでの時間のことを指します。
つまり午後7時に食後のコーヒーだよとか言って100MGのカフェインを含むコーヒーを一杯飲んだら5時間後のさあ寝ようかという深夜12時にも体内に50MGのカフェインが残ってしまっているということになるんです。
こんなに体内にカフェインが残ってしまっているわけですからぐっすり眠れるわけがありません。
カフェインに敏感な人ならばなおさらでしょう。
そしてカフェインの半減期は約5時間ならば深夜12時に寝る人ならその10時間前すなわち午後2時に100MGのカフェインを含むコーヒーを一杯飲んだ場合さあ寝ようかと いう深夜12時にまだ100MGの半分の半分すなわち25MGのカフェインが体内に残っているということになります。
昼ご飯を食べて眠くなってしまったからその眠気を吹っ飛ばすために午後2時にコーヒーを2杯すなわちカフェインを200MG取った場合さあ 寝ようかという深夜12時まだ50MGのカフェインが体内に残っていて私たちはそのカフェインの影響と戦い ながら眠らなくてはいけないということになるんです。
実際ある研究では就寝前6時間以内にコーヒーを飲むと睡眠時間が1時間短縮されてしまったという悲しいことがわかっています。
さてどうでしょうかこのようにカフェインの半減期という観点から考えるとほとんどの睡眠に関する本にカフェインを相互移行あんまり取らない方がいいよと書いてある理由がよくわかるでしょう。
寝る時に体内にカフェインが残っていると体の回復と記憶のどこかに非常に重要な睡眠段階である序破水民とレム睡眠の量を減らす可能性があると指摘されております。
そして先ほどの研究のように寝る前6時間以内にコーヒーを飲むと睡眠時間が短くなってしまったり、カフェインのせいで夜寝付けないにもかかわらず 翌朝は仕事があるから同じ時間に起きなくてはいけないとしたら睡眠時間が足りず睡眠不足に陥ります。
こんな生活を送っていると今問題視されて いる睡眠負債が徐々に溜まっていき確実にあなたの体は崩壊へと向かってしまいます。
例えば睡眠不足が体重増加、肥満率の上昇、2型糖尿病心臓病に関連していることはよく知られた事実です。
また恐ろしいことに睡眠が不足してしまうと死亡率が上がってしまいます。
ですから仮に今睡眠に問題が出ていますという人はコーヒーを飲む量を減らすかデカフェコーヒーに切り替えるようにして欲しいと思います。
不安やストレスが増す
それでは次3つ目のコーヒーに潜むデメリット不安やストレスが増すについて解説していきます。
さてカフェインを摂取すると覚醒し頭が冴えわたるというのは多くの人が経験して知っているかと思います。
それは私たちに疲れを感じさせる脳内科学物質であるアデノシンの働きをカフェインがブロックしてくれるからであります。
同時にカフェインを摂取するとアドレナリンが分泌されて体中にエネルギーが満ち溢れてくるんです。
カフェインはアデノシンの働きをブロックしアドレナリンを分泌させるという2つの働きにより私たちのエネルギーを高めて いるわけです。
しかしカフェインの量が適量ならばいいんですがカフェインを摂取しすぎてしまうとこれらの働きが増強されすぎてしまい不安やストレスにつながる可能性があるんです。
皆さんもコーヒーをがぶ飲みした時不安を感じやすくなったとか焦燥感を感じやすくなったとかメンタル的に微妙な感じになってしまったという経験が一度はあるでしょう。
実際にカフェイン誘発性不安障害はカフェイン関連症候群の一つとされています。
カフェイン取りて過ぎてしまうと、そのカフェインにより不安が引き起こされてしまう可能性があるのでやはり取りすぎには注意が必要です。
またカフェインを取りすぎた場合だけではなく元々カフェインに弱い人は少量であってもこのような状態になることがあるので、やはり自分がカフェインに強いのか弱いのかをしっかり把握しておくことが重要です。
繰り返しますがカフェインの許容量には個人差があるのでカフェインを飲んでなんだかイライラするストレスかかるメンタル 落ち込むという人は一度カフェインをやめてそのような状態が改善するのかどうかをチェックする必要があるでしょう。
まとめ
自分にとって適切な量のカフェインを取ればカフェインはあなたを覚醒させ集中力をアップして生産性を高めストレスなどを解消してくれる素晴らしい効果がありますが、とり過ぎると逆効果になってしまいます。
ですから自分が一番調子が良くなるカフェインのスイートスポットを見つけられると非常に良いと思います。
それではまとめです。
ポイント1コーヒーは健康的な飲み物だが飲みすぎるとデメリットが発生する場合があるので 適度な量を毎日飲もうコーヒーを1日何杯まで飲んでokかを決めるには自分がカフェインに強いのか良いのかを知っておく必要がある。
一般的には1日4杯ぐらいまでが上限と言える。
ポイント2絶対に知っておくべきコーヒーに潜む3つのデメリットは次の3つ
1カフェインオーバードーズ
2不眠症などの睡眠のトラブル
3不安やストレスが増す