フレンチローストは「焙煎の深さ」を示す言葉!
フレンチローストとはコーヒー豆のロースト(焙煎)の深さ・段階を表した言葉になります。
とはいえ、いきなり「焙煎の深さ」と言われてもイメージが掴みづらいかと思います。
フレンチローストについて詳しくみていく前にまずは「ロースト(焙煎)とはなにか?」を確認していきましょう!
ロースト(焙煎)とは
ロースト(焙煎)とは、焙煎機を使ってコーヒーの生豆を炒る作業のことをさします。
コーヒーの豆がコーヒーの木から収穫されて1杯のコーヒーになるまで実はとても多くの工程が必要なんです。
栽培・収穫されたコーヒーの実は丁寧に精製処理をされた後各国へ輸出されます。
輸入されてきた時点では、コーヒー豆は生豆またはグリーンビーンと呼ばれ、加熱されていない生の状態です。
その生豆を加熱し炒ることでコーヒーの心地よい苦味や香ばしさチョコレートのようなコクを引き出していく作業が「ロースト(焙煎)」の工程になります。
ローストの技術によって、コーヒー豆の味は大きく左右されます。
また、焙煎の度合いによってフルーティーでさっぱりしたコーヒーに仕上がったり逆にしっかりと深いコクのあるコーヒーに仕上がったりとフレーバーにも大きな影響を与えます。
ローストの8段階
ローストの具合というといわゆる「浅煎り」や「深煎り」といったワードを想像される方も多いと思います。
これをさらに細かく分類するとローストの度合いは以下のように8段階に分類することができます。
- ライトロースト
- シナモンロースト
- ミディアムロースト
- ハイロースト
- シティロースト
- フルシティロースト
- フレンチロースト
- イタリアンロースト
上の方が焙煎が浅い、いわゆる「浅煎り」になり下に行くほど焙煎の度合いが深くなっていきます。
イタリアンローストはその名の通りエスプレッソ文化の根強いイタリアで愛されてきたローストでガツンと目がさめるような苦さとコクが特徴になります。
逆にライトロースト、シナモンローストなどはいわゆるサードウェーブ系のコーヒー屋さんで多く見られるようになってきました。
全体的に浅煎りなので、コーヒーの深い苦味を楽しむというよりは紅茶とコーヒーの間のようなさっぱりとしたテイストと豆本来がもつフルーティーな味わいや繊細な酸味を楽しむことができるのが特徴です。
ハイロースト〜シティローストはバランスが良くコクもある一方でそれぞれの持つフレーバーや繊細な甘みも楽しめるようになっており一般的にもっともよく飲まれている焙煎度合いになります。
フレンチローストの味わいは?
8段階のローストの中でフレンチローストは7段階目に当たります。
イタリアンローストにつぐ深煎りのローストでしっかりとしたコクとキレのある苦味が特徴となります。
フランスもイタリア同様にエスプレッソ文化が根強くエスプレッソにあう深煎りの豆が長年に渡って愛されてきました。
フレンチローストの名前の由来もこのような背景にあります。
フレンチローストはダークチョコレートのような深みやナッツのような香ばしさがあり、酸味はほとんど感じられません。
豆の色も全体的に綺麗なダークブラウンに仕上がっておりコーヒー豆がもつ油分が表面に滲み出てツヤツヤとした印象になります。
あまり酸味が得意ではない方やしっかりとコクのあるコーヒーが好きな方にはフレンチローストはとてもおすすめになります。
フレンチローストのおすすめの飲み方
しっかりとした苦味とコクが特徴のフレンチローストに興味がわいたら実際に飲んで見ましょう!
味の好みは人それぞれですがまずはフレンチローストの良さが分かりやすいおすすめの飲み方から試してみてください!
エスプレッソ
フランスのエスプレッソ文化を背景に愛され続けてきたフレンチロースト。
やはりエスプレッソで飲むのはぜひ試してみていただきたいところです。
マシーンで高い圧力をかけながら抽出した高濃度のエスプレッソはフレンチローストの持つ強くキレのある苦味とコクが一番楽しめる飲み方になります。
カフェラテ
エスプレッソにスチームしたミルクを入れたカフェラテもエスプレッソ同様におすすめの飲み方です!
フレンチローストのしっかりとした味わいはミルクを入れてもかすむことはありません。
しっかりとしたコーヒーのコクとミルクのまろやかさを同時に楽しめるのがフレンチローストの強みでもあります。
コーヒーには必ずミルク!という人には実はフレンチローストはとても相性のいいお豆です。
アイスコーヒー
アイスコーヒーは氷が入る分どうしても味の調整が難しくなってしまいます。
また、さらにミルクも…となると
味がしっかりとしたコーヒーでないと味が全体的に薄まってしまいぼんやりとした印象になってしまうのが難しいポイント。
しかし、フレンチローストくらいしっかりとコクと苦味があるコーヒーであれば氷を入れてもミルクを入れても負けない
バランスの取れたアイスコーヒーを楽しむことができます!
ドリップコーヒー
フレンチローストにはエスプレッソがおすすめと書きましたが、ご自宅にエスプレッソマシーンはないという方が大半だと思います。
では、ドリップで飲むならフレンチローストはおすすめじゃないのかというともちろんそんなことはありません!
フレンチローストをドリップで入れてもフレンチローストの持つ苦味やコクといった良さは充分に楽しむことができます。
前述の通り、特にミルクを入れて飲むいわゆる「カフェオレ」スタイルを楽しみたい方にはむしろフレンチローストのドリップコーヒーはおすすめです。
ドリップコーヒーは、エスプレッソドリンクに比べてあっさりとした仕上がりになります。
そのため、浅煎りのお豆やフルーティーさが売りのお豆でドリップをしてミルクを入れてしまうとどうしても水っぽくなってしまい、本来の売りである繊細な味やフルーティーさが損なわれてしまう傾向にあります。
ドリップでもキレのある苦味とコクを楽しみたいという方やミルクのまろやかさとコーヒーのバランスを楽しみたい方はぜひ一度フレンチローストのお豆を試してみてください!
フレンチローストは実はスイーツと相性抜群?
最近はコーヒーとスイーツのペアリングも人気です。いわゆるフードペアリングは、コーヒーと食べ物を合わせてその相乗効果を楽しむこと。
組み合わせによっては、それぞれの魅力を引き出しあってコーヒー単体で飲むのとは違った味わいや奥深さを発見することができます。
しっかりとした苦味とコクが特徴のフレンチローストは実はクリーム系のケーキやニューヨークチーズケーキのようなどっしり重たいケーキと相性抜群。
フレンチローストのキレのある苦味がクリームの余計な油分や甘さを流してくれます。
また、フレンチローストはしっかりとしたコクの中にチョコレートやナッツのような香ばしさとまろやかさがあるのでチョコレートケーキや、ナッツとドライフルーツがたくさん入ったケーキなどとも相性が良いです。
またチョコレートやナッツをつまみながら、お酒みたいにしっとり飲むのもおすすめです!
最近は和菓子とコーヒーのペアリングも注目されています。
あんこ系のお菓子など甘みがしっかりとしているものはフレンチローストとも相性がいいので、機会があればぜひいろいろと試してみてください。
フレンチローストのコーヒーを試してみよう!
フレンチローストのお豆の特徴やおすすめの飲み方を説明してきましたがコーヒーはなによりも飲んでみるのが一番です。
フレンチローストのお豆を見つけたら、ぜひまずは一度試してみてください!
飲んでみて、もう少し苦味に丸みがあるものがいいなと感じたらシティーローストやフルシティーローストを。
酸味も欲しいと思ったら思い切ってかなりフルーティーな浅煎りのローストをとまずは好きな味に出会うまでいろいろ飲み比べてみましょう。
また、朝にさっぱりとしたい時は浅煎りの豆ゆったりとリラックスしたい時はコクのある深煎りの豆などシーンによって飲み分けてみるのもおすすめです。
自分なりのコーヒーの楽しみ方を見つけていきましょう!