今回は、コーヒー好きの皆さんに向けて、自分好みのコーヒー豆の見つけ方をご紹介します。
スーパーやコーヒー専門店に並ぶたくさんの種類のコーヒー豆。
「どれを選べばいいの?」
「自分の好みに合うのはどれ?」
そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、コーヒーの基本的な味わいから、選び方のポイント、人気の銘柄まで、詳しくお伝えしていきます。
これを読めば、きっとあなたにぴったりの一杯に出会えるはずです!
コーヒーの味わいを知ろう!5つの基本要素
まずは、コーヒーの味わいを理解するための基本的な要素について解説します。
コーヒーの味わいは「酸味」「苦味」「キレ」「コク・深み」「甘味」という5つの要素で表現することができます。
1. 爽やかな印象を与える「酸味」
コーヒーの酸味というと、「苦手!」という方もいらっしゃるかもしれません。
でも、実はコーヒーの酸味には様々な表情があるんです。
パッションフルーツやマンゴーのような南国フルーツを思わせる華やかな酸味もあれば、レモンやオレンジを連想させる爽やかな柑橘系の酸味まで。
良質な酸味は、コーヒーに心地よい刺激と奥行きを与えてくれる、とても大切な要素なんです。
2. コーヒーらしさを演出する「苦味」
苦味は、多くの方がコーヒーの味の代名詞として思い浮かべる味わいですよね。
この苦味は、生豆を焙煎する過程で生まれます。
面白いことに、焙煎度が深くなればなるほど、苦味は強く感じられるようになっていきます。
でも、ただ苦いだけじゃないんです。
チョコレートのような甘い余韻を伴う心地よい苦味もあれば、スパイシーでピリッとした刺激的な苦味まで。
豆の種類によって、その表情は大きく変わります。
3. 後味の印象を決める「キレ」
キレとは、味わいの切れ味のこと。
特に、苦味がすっきりと消えていく様子を表現するときに使われます。
キレの良さは、コーヒーを飲み終わった後の印象を大きく左右する重要なポイントなんです。
4. 味わいの土台となる「コク・深み」
コクや深みは、コーヒーの味わいの基盤となる重厚感のこと。
豊かな苦味を土台として、味わいが口の中いっぱいに広がっていく様子を表現しています。
「ボディが感じられる」という表現を聞いたことがある方もいるかもしれません。
まさにこの「コク・深み」のことを指しているんです。
5. 自然な「甘味」が作り出す優しさ
最後は甘味です。
コーヒーの甘味は、コーヒーチェリーが完熟することで自然に生まれます。
黒糖のような深い甘さを感じるものもあれば、カラメル系の香ばしい甘さを特徴とするものも。
この自然な甘みが、コーヒーに優しさと親しみやすさを与えてくれます。
自分好みのコーヒーを見つけるための3つのポイント
コーヒーの基本的な味わいについて理解できたところで、いよいよ自分好みのコーヒーを見つけるためのポイントをご紹介します。
好みのコーヒーを見つけるためには、3つのチェックポイントがあります。
【Point 1】まずは「酸味・甘味・苦味」の好みを知ろう
コーヒー選びで最初に確認したいのが、酸味・甘味・苦味のどれが好みかということ。
これらの味わいは豆によってバランスが大きく異なります。
最初のステップとしておすすめなのが、バランスの取れた味わいで定評のある「ブラジル」を基準に飲み比べてみること。
そこから、酸味の際立つコーヒーや、苦味の強いコーヒーなど、特徴的な味わいの豆を試していくことで、自分の好みが見えてきます。
【Point 2】「個性派」と「バランス派」どっちが好み?
コーヒー豆は大きく分けて2つのタイプに分類できます。
一つは、酸味・甘味・苦味のバランスが取れた「バランス派」。
もう一つは、独特の味わいや香りが特徴的な「個性派」です。
バランス派のコーヒーは、誰にでも親しみやすい味わいが特徴。
一方の個性派は、好き嫌いがはっきり分かれる傾向にあります。
両方のタイプを飲み比べてみることで、自分がどちらのタイプを好むのか、はっきりとわかってきますよ。
【Point 3】焙煎度の違いを楽しもう
同じ豆でも、焙煎の仕方によって味わいは大きく変化します。
好みの豆が見つかったら、次は焙煎度の違いにも注目してみましょう。
浅煎り、中煎り、深煎りと、焙煎度が変わることで、香りや苦味、酸味のバランスが変化していきます。
例えば、酸味を楽しみたい場合は浅めの焙煎を、苦味とコクを重視する場合は深めの焙煎を選ぶといった具合です。
「酸味・甘味・苦味」それぞれの味わいを代表する豆たち
ここからは、酸味、甘味、苦味それぞれの特徴を代表するコーヒー豆と、バランスの取れた味わいで人気の豆をご紹介します。
【酸味を代表する豆】キリマンジャロ、ハワイコナ
爽やかな酸味を楽しみたい方におすすめなのが、「キリマンジャロ」と「ハワイコナ」です。
特にキリマンジャロは、フルーティな酸味と柑橘系の爽やかな風味が特徴。
一方のハワイコナは、やわらかな酸味と甘い香りが魅力です。
【甘味を代表する豆】グアテマラ
甘い香りと、やわらかな味わいが特徴的なのが「グアテマラ」です。
ほどよいコクと相まって、バランスのよい味わいを生み出しています。
マイルドな味わいも特徴的で、コーヒー初心者の方にもおすすめです。
【苦味を代表する豆】マンデリン
深いコクと苦味が特徴的な「マンデリン」は、スパイシーな風味も感じられる個性的な豆。
苦味が好きな方におすすめです。
特に深煎りにすることで、その特徴がより際立ちます。
【バランスの取れた豆】ブラジル
酸味と甘味と苦味のうちどれかが特別に際立つことなく、まろやかでバランスのよい「ブラジル」は、多くの人に親しまれています。
特にバランスのよさには定評があり、コーヒー初心者の方が最初に試すのにもおすすめの豆です。
マイルドでクセがないため、ブレンドのベースとしても重宝されています。
「個性派」と「バランス派」それぞれの代表的な豆をご紹介
コーヒー豆には、個性的な特徴を持つ「個性派」と、バランスの取れた味わいが特徴の「バランス派」があります。
それぞれの代表的な豆をご紹介していきましょう。
個性派の代表格「ゲイシャ」
近年人気を集めているのが「ゲイシャ」です。
「ゲイシャ」という名前の由来は、エチオピアのゲイシャ村から。
相楽園系のやわらかな味わいと、すっきりとした酸味が特徴で、ユニークなコーヒーの代表格として知られています。
フルーティな個性派「イルガチェフェ」「モカ・マタリ」
華やかで、フルーフルな香りがあり、親しみやすい味わいが特徴的なのが「イルガチェフェ」です。
生産国のエチオピアは、コーヒー発祥の地のひとつでもあります。
バランス派の定番「ブルーマウンテン」
酸味、甘味、苦味をバランスよく合わせ持っているのが「ブルーマウンテン」です。
まさにバランス重視派の代表格で、個性派のコーヒーと飲み比べてみると、その違いがよくわかります。
コクのある代表格「コロンビア」
力強く豊かなコクはないものの、マイルドな甘味が感じられるのが「コロンビア」です。
「ブラジル」や「グアテマラ」と並んでバランスのよいコーヒーとされ、ブレンドのベースに使われることも多い豆です。
好みの焙煎度合いを見つけよう
コーヒー豆は、焙煎度合いによっても味わいが大きく変化します。
ここでは、焙煎度合いの違いとその選び方についてご紹介します。
浅煎りから深煎りまで8段階の違い
焙煎の段階は、浅煎りから深煎りまで、大きく8段階に分けることができます。それぞれの特徴を見ていきましょう。
浅煎り(ライトロースト)は、最も焙煎度合いの浅い状態。色は茶色で、コーヒー本来の風味を楽しむことができます。酸味が特徴的で、豆の水分がまだ残っているため、チナモンのような独特の風味も感じられます。
中煎り(ミディアムロースト)は、夏は黒色、1ハゼが始まってから終了するくらいまでの状態。バランスのよい味わいを楽しむことができ、多くの人に好まれる焙煎度合いです。
深煎り(フレンチロースト、イタリアンロースト)は、2ハゼが起きた後の状態。濃いチョコレートのような色をしており、苦味とコクが特徴的です。油分が表面に出てきて、ツヤのある外観になります。
焙煎度合いの選び方のポイント
好みの焙煎度合いを見つけるためのポイントをご紹介します。
買ったばかり、古い、焙煎度合いで決まる
コーヒーは「買いたて」が一番。豆の量や状態によって、焙煎度合いの選び方も変わってきます。最初は中煎りから試して、自分の好みを探していくのがおすすめです。
お店によって焙煎度合いが違う
焙煎を専門にしているお店や焙煎所では、それぞれの豆に適した焙煎度合いを提案してくれます。お店によって得意とする焙煎度合いが異なるので、飲み比べて確認してみるのもよいでしょう。
砂糖を入れるなら深煎りがおすすめ
コーヒーにお砂糖やミルクを入れるのが好きな方は、苦味の強い「深煎り」をおすすめします。より力強い味わいが楽しめます。
日本で人気の8大コーヒー豆を徹底解説!
1990年以降、日本にスペシャルティコーヒーが導入され、コーヒーの個性は細分化されてきました。
ここでは、日本で特に人気の高い8つのコーヒー豆について、その特徴や魅力を詳しくご紹介します。
【ブラジル】マイルドでバランスの良い万能選手
日本が輸入しているコーヒー豆の中で、最も多いのがブラジル産です。
年間約22万トンのコーヒー豆を輸入し、その約80%がアラビカ種です。
ブルボン、ティピカ、ブルボン、カツーラ、カツアイ、マラゴジッペなど、品種も豊富です。
ブラジルコーヒーの特徴は、やわらかな味わいとバランスの良さです。
酸味と甘みと苦味のバランスがよく、マイルドでクセがないため、ブレンドのベースにも最適です。
製法はナチュラルが多いのですが、パルプドナチュラルも増えています。
同じ品種でも製法が異なれば味も変化するため、様々な味わいを楽しむことができます。
【マンデリン】苦味が特徴的な個性派
インドネシアのスマトラ島北部で栽培される「マンデリン」は、力強いパンチのある味と、独特な風味が持ち味です。
スマトラ式と呼ばれる精製方法により、90%は半水洗式で、残り10%の中でも、「スマトラ式」という独自の製法で有名です。
標高1000mを超える山岳地帯で有機栽培が盛んで、マンデリンという名前は、北スマトラの部族「マンダイリン族」に由来しています。
苦味が好きな方におすすめの豆です。
甘いスイーツとの相性も抜群です。
【コロンビア】安定した品質の優等生
コロンビアには、アンデス山脈をはじめ、中部、南部の3つの山脈があり、標高1200〜2000mの高地でコーヒー豆が栽培されています。
気候は涼しく温暖な気候で、コーヒー栽培に最適な環境です。
特徴は、フルボン、ティピカ、カツーラ、マラゴジッペなどの品種があり、手摘みで収穫され、精製はほとんどがウォッシュドです。
1927年に設立された「コロンビア国立コーヒー生産者連合会(FNC)」が品質のコーヒー豆の安定供給を支援しており、安定した品質で定評があります。
力強くまろやかなコクと、ほどよい酸味、マイルドな甘味が調和したバランスのよい味が特徴です。
【モカ】フルーティな味わいの「コーヒー豆の貴婦人」
日本では主に「モカ」という認知度が高いですが、「モカ」という名前のコーヒーには、中東・イエメン産の「モカ・マタリ」と、その対岸のアフリカ・エチオピア産の「モカ・シダモ」「モカ・ハラー」などがあります。
フルーティな酸味と華やかな香りがあり、味わいの中にはわずかな甘味を感じます。
繊細で甘味のハーモニーが魅力です。
イエメンのモカからは、イエメン独自のエチオピア産の豆が輸出され、生豆はナチュラルとウォッシュドです。
【キリマンジャロ】力強い酸味の後に広がる甘い香り
キリマンジャロは、タンザニアの北東部にそびえ立つ標高5895mのアフリカ最高峰のキリマンジャロ山の山麓で栽培されています。
しかしタンザニア国内では、北部のキリマンジャロ山のエリア以外に、南部の高地でも栽培されており、すべて「本キリマンジャロ」の銘柄で囲っています。
豆の特徴としては、フルーティな酸味と、甘味がのびやかに広がる中にほのかに感じる苦味が印象的です。
その後に広がる甘い香りも人気の理由です。
品種は、ブルボン、ティピカ、ケントなど。タンザニアではアラビカ種が栽培されており、その精製方法はウォッシュド精製です。
【 ブルーマウンテン】バランス重視の高級コーヒー
ブルーマウンテンは、ジャマイカの法律で定められた特定の地域で、法律で指定された加工工場で処理されたコーヒーだけを指します。
その対象となる主な輸出先は日本、イギリス、カナダ、アメリカ。
日本で高級コーヒーとされたのは、「英国王室御用達」の名声が広まってからです。
特徴は酸味と甘味と苦味のバランスがよく、やわらかな口当たりと香り、すっきりとした後味が魅力です。
日本人に人気の高い銘柄の一つとなっています。
【グアテマラ】山間地帯ならではの大らかさと深いコク
山間地が多く、火山灰を含んだ土壌がコーヒー栽培に最適なグアテマラ。
「グアテマラ全国コーヒー協会(ANACAFE)」が管理、指導、宣伝を行い、コーヒー産業を支えています。
品種と精製方法は、ほぼウォッシュド。
コクと甘味、酸味のバランスがよく、「アンティグア」地区で採れる豆は高級品質として人気です。
甘い香りとやわらかな味わい、ほどよいコクを持ち、キレのいい後味も魅力です。
【ハワイコナ】独特の甘味と酸味が織りなす優雅な味わい
ハワイコナは、ハワイのコナ地区で栽培された豆に付けられる銘柄です。
生産量が少なく希少価値があり、アメリカのホワイトハウスの晩餐会で出されるコーヒーとしても有名です。
品種はアラビカ種のティピカで、精製方法はウォッシュド。
やわらかな風味と甘い香りがあります。
苦味は少なく、コクはあり、気品あるやわらかな味わいが特徴です。
休日のんびりしたい日に、優雅な気分で楽しみたい一杯です。
まとめ
今回は、コーヒーの基本的な味わいから、好みの見つけ方、人気の銘柄まで幅広くご紹介しました。
コーヒーの世界は本当に奥が深く、まだまだ紹介しきれない魅力がたくさんあります。
この記事を参考に、ぜひ自分好みのコーヒー探しを楽しんでみてください。
きっと、あなただけの「お気に入りの一杯」に出会えるはずです。
新しい味との出会いが、あなたのコーヒーライフをより豊かなものにしてくれることでしょう。