ストロングコーヒーという言葉を聞いて、どんなイメージを思い浮かべますか?
多くの方は「濃い」「苦い」「強い」といったイメージを持っているのではないでしょうか。
実は、このストロングコーヒー、私たちが普段使う意味と、コーヒー業界で使われる意味では大きく異なるんです。
さらに定義自体も少しずつ変化しています。
今回は、そんなストロングコーヒーの意外な真実について、詳しく解説していきます。
ストロングコーヒーの2つの定義
コーヒーショップで「ストロングコーヒーください」と注文する時、私たちが期待するのは濃いめの深煎りコーヒーですよね。
確かに、一般的にはそういう意味で使われています。
中深煎りから深煎りの豆から抽出された、コクのある濃厚な一杯。
ところが世界のコーヒー業界では全く違う意味で使わています。
業界用語としての「ストロングコーヒー」は、ブラジル産のコーヒー豆全般を指すんです。
世界最大のコーヒー生産国であるブラジルは、国土の大半がコーヒー栽培に適しているコーヒー大国。
そんなブラジルで作られたコーヒー豆は、焙煎度合いに関係なく、すべて「ストロングコーヒー」と呼ばれます。
最近では、コーヒー業界の中でも「深煎りの豆を使った濃厚なコーヒー」という意味で使うケースも増えてきており、定義自体も少しずつ変化しているようです。
ストロングコーヒーのカフェイン量と苦味
よく「ストロングコーヒーはカフェインが多い」と思われがちですが、これは実は誤解です。
焙煎の過程でコーヒーの成分は変化していきます。
深煎りにする際に、カフェインを含む様々な成分が飛んでしまうんです。
そのため、浅煎りや中煎りのコーヒーと比べると、実はカフェイン量は少なくなります。
でも、深い味わいと香りがしっかりしているため、なんとなく「強い」という印象を受けるんですね。
コーヒー通の間で人気が高いストロングコーヒーですが、初めての方には少し敷居が高く感じるかもしれません。
特に、コーヒーをあまり得意としない方は、苦みを強く感じる傾向があります。
エスプレッソとどう違うの?
両者とも濃い味わいが特徴で、深煎りの豆を使うことが一般的です。
しかし作り方が全く異なります。
エスプレッソは高圧をかけて短時間で抽出する特殊な方法で作られます。
表面には特徴的なクレマと呼ばれる泡層ができます。
このクレマは、コーヒー豆に含まれる油分やタンパク質によって生まれ、豆の種類によって色合いや層の厚みも変わってくるんです。
少量でも濃厚な味わいを楽しめる点が特徴的です。
マイルドコーヒーとの違いを知ろう
ストロングコーヒーの反対に位置するのが、マイルドコーヒーです。
浅煎りから中煎りの豆を使用し、すっきりとした飲み心地が特徴です。
苦味や酸味が控えめで、コーヒーが苦手な方でも飲みやすい味わいです。
特に中煎りの場合は、爽やかな後味を楽しめます。
また、コーヒー業界では「マイルド」もまた特別な意味を持っています。
グアテテマラやコロンビアなど、ブラジル以外の国で生産されるコーヒー豆全般を指すんです。
例えば、グアテマラ産の豆を深煎りにして強い味わいに仕上げても、業界では「マイルドコーヒー」と呼ばれます。
私たちが普段使う「まろやか・軽い」という意味とは少し違って、少し分かりにくいかもしれませんね。
あなたにぴったりのコーヒーを見つけよう
今回はストロングコーヒーについて解説しました。
一般的な意味での「濃い味わいのコーヒー」と、業界用語としての「ブラジル産コーヒー」。
そして、その定義も徐々に変化しています。
大切なのは、自分の好みに合ったコーヒーを見つけること。
「コーヒーは苦い飲み物」と思い込んでいた方も、マイルドコーヒーを試してみると、その考えが変わるかもしれません。
ストロングでもマイルドでも、あなたの「おいしい」が見つかれば、それが一番です。