ニカラグア産のコーヒーと言っても、日本では実際に飲んだことのある人の方が少ないかもしれません。
ヨーロッパなどでは比較的知名度が上がってきていますが、日本への輸出量はまだ少ないです。
隣国のコスタリカやホンジュラスのコーヒーなどと比べると日本での知名度は低いのが現状。
今回はフルーティーで飲みやすいニカラグア産のコーヒーの魅力をご紹介していきます。
ニカラグアコーヒーとは
2020年の世界のコーヒー豆生産量ランキングではコスタリカやケニアを押しのけてニカラグアは13位。
コーヒー栽培がとても盛んな国の一つになります。
また栽培しているコーヒー豆の品種も多く、色々なバリエーションの豆を楽しめます。
どの豆も比較的フルーティーで香りが高く、苦味が少ないのが特徴です。
ニカラグアコーヒーの歴史
ニカラグアのコーヒーの歴史は意外と長く、1700年代の終わり頃と言われています。
キリスト教の宣教師がニカラグアにコーヒーの木を持ち込んだところから始まりました。
ニカラグア政府はその後、経済活動の活性化を目的として1850年代頃からコーヒーのプランテーション栽培を推奨します。
コーヒー産業を国として発展させていこうという目的がありました。
現在ではコーヒーはニカラグアの主要輸出作物として経済を支えています。
ニカラグアコーヒーの栽培環境や生産地について
中央アメリカにあるニカラグアは赤道に非常に近く、いわゆるコーヒーベルト内に位置しています。
近隣にコスタリカやグアテマラ、ホンジュラスなどコーヒー大国が並ぶことからもわかるように、気候条件も良く、雨季があるため降水量も安定。
また、ニカラグアにはモモトンボ火山と呼ばれる標高の高い火山があり、ミネラルを多く含む豊かな土壌を形成しています。
ニカラグアコーヒーの品種や銘柄について
ニカラグアでは様々な品種のコーヒーを栽培しており、どれもコーヒー業界では人気の希少種になります。
ほのかな甘みが特徴「ブルボン種」
ブルボン種は、ティピカ種という品種から突然変異で生まれた品種です。
アラビカ種の中でもティピカ種と並んで2大品種とされています。
華やかなアロマで人気があり、しっかりとしたフルーツ感があるのが特徴です。
ティピカ種の突然変異「マラゴジッベ種」
マラゴジッペもブルボン種と同様に、ティピカ種の突然変異で生まれた品種です。
コーヒー豆の粒のサイズが非常に大きく、味が濃厚で上質な豆。
しっかりとした甘い香りを感じられるものが多く人気が高いですが、さび病などの病気に弱く希少な豆となっています。
アラビカ系種の人工交配種「パカマラ種」
パカマラは、「パーカス」という品種と「マラゴジッペ」を掛け合わせて、人工交配により開発された品種です。
マラゴジッペの特徴を受け継いでいるため豆の粒が大きく、味が濃厚。
フルーティーさとキャラメルやバタースコッチのようなクリーミーさがあるのが特徴です。
エチオピア起源の品種「ジャバニカ種」
ジャバニカは厳密にはティピカロングベリーという品種になります。
この品種は、インドネシアのジャワ島で「ジャバコーヒー」という名前で親しまれており、それがニカラグアで「ジャバ」と「ニカラグア」の名前が合わさり造語的にジャバニカと呼ばれています。
ジャバニカは非常に人気が高く、バランスのとれたマイルドで優しい口当たりが特徴です。
ブラジルなどの中南米でメジャー「カトゥアイ種」
カトゥアイは収穫量が多く病害虫に強いにもかかわらず、品質もとても高いことから、ラテンアメリカを中心に広く栽培されている品種です。
全体的に軽い味わいで全体のバランスが良く、コーヒー初心者にも飲みやすい味として人気が出ています。
ニカラグアコーヒーの等級について
ニカラグアのコーヒーは、その豆が生産された産地の標高によって格付けが行われます。
上から次の4段階に分けられます。
- SHG(ストリクトリー・ハイ・グロウン)
- HG(ハイ・グロウン)
- MG(ミディアム・グロウン)
- LG(ロー・グロウン)
SHGは標高1500m〜2500mで育った豆に与えられます。
標高が高ければ高いほど、豆のクオリティーが高いとされています。
ニカラグアコーヒーの味わいや特徴とは?
ニカラグアのコーヒーはベリーやシトラス系のようなフルーティーさがあり、甘みと酸味のバランスが良いのが特徴。
全体として軽い口当たりですが、ハチミツ入りの紅茶のようなしっかりとした甘みとコクがあり、全体的にバランスが良いコーヒーが多いです。
苦味は控えめで飲みやすいものが多いので、コーヒーが苦手という人にもおすすめです。
ニカラグアコーヒーのおいしい飲み方
ニカラグアのコーヒーは比較的どんな飲み方でも楽しむことができます。
やはり一番のおすすめは、そのフルーティーさが楽しめるドリップ。
しっかりとコクと甘みがあるので、エスプレッソ系のドリンクやミルクとの相性も悪くはありません。
暑い日にはアイスコーヒーやコールドブリューなどで飲むと、フルーツティーのようなフレッシュさが楽しめます。
ニカラグアコーヒーを品種別で飲み比べてみよう!
一口にニカラグアのコーヒーといっても品種や精製方法によりその味や香りは様々です。
どの豆もバランスが良く飲みやすいものが多いので、コーヒーを普段あまり飲まないという人にもおすすめ。
日本ではまだまだ出会うことが稀なニカラグアのお豆なので、もしお店で見つけた際はぜひ飲み比べをしてみてください。