コーヒーにもお米のようにいろんな品種があるんだな、ということはなんとなく知っている方も多いと思います。
コーヒー豆はまず、アラビカ種・ロブスタ種・リベリカ種という三大原種に分けられます。
そこからさらに細かく品種わけされているのですが、その中の一つ「ブルボン種」は品質の高さと希少性からコーヒーの世界ではかなり人気の品種です。
コーヒーの品種「ブルボン」とは
「ブルボン」はアラビカ種の中の一つの品種です。
同じアラビカ種である「ティピカ」から突然変異して生まれたものと言われており、ティピカと並んでアラビカ種の中でも二大品種とされています。
他のアラビカ種と比べると生産性が約20%ほど高く、華やかな味わいで人気の品種です。
一方で、病気や気候の変化に弱く、栽培時に細心の注意を払わなくてはならないなど、非常に手間がかかる品種でもあります。
ブルボン種のコーヒー豆の歴史
ブルボン種は、インド洋に浮かぶ小さな島「ブルボン島」で発生した突然変異種とされています。
ブルボン島は当時フランスの植民地であったことから、フランス人によりコーヒーが持ち込まれました。
その後、島の環境に適応していく形で変異種としてブルボン種が生まれたのです。
ブルボン島は現在では名前を変えて「レユニオン島」と呼ばれていますが、当時の島の名前をとって「ブルボン種」と名付けられました。
ブルボン種のコーヒー豆の生産国について
ブルボン島で発生したブルボン種は、当時の宣教師たちの手を通して、アフリカ各地に運ばれました。
その後、ブラジルを中心とした南米にも持ち込まれ、現在ではその人気の高さから多くの国で栽培されています。
中でも、ブラジルやルワンダはブルボン種の生産地としてその名をあげています。
知名度NO.1「ブルボンサントス」
ブラジルの港、サントス港はブラジルで最大のコーヒーの輸出港として知られています。
ブルボンの中でもブラジルで栽培されこの港から輸出されているブルボンサントスは有名で、まろやかな口当たりと香りの良さで知られています。
ブルボン種の豆を飲んでみたいなと思ったら、まずはブルボンサントスから試してみるのもいいかもしれません。
ブルボン種のコーヒー豆の有名な品種
各国に渡ったブルボン種はその後、さらに突然変異や人工交配を通じて新たな品種を生み出し、さらに細かく分類され、発展していきました。
その背景には、ブルボン種が病気に弱いことや、一回の栽培で収穫される量は多品種に比べて多いものの、2年に1回と隔年でしか収穫ができないことなどがありました。
ブルボン種の味の豊かさと収穫量の多さは残しつつ、より病気に強く手間のかからない品種を生み出そうという試みが各地で行われました。
ルイ王朝にも愛された「ポワントゥ」
ポワントゥはレユニオン島(かつてのブルボン島)で栽培されていたブルボン種のひとつです。
レユニオン島はブルボン種が発生した土地でありながら、実はコーヒー豆の生産は下降の一途を辿り、一時期コーヒーの栽培は完全に途絶えていました。
しかし、日本企業であるUCCがフランスの王族から愛された味を復活させるべく1999年にポワントゥの栽培に乗り出し、現在はごく少量ながらも栽培が行われるようになりました。
ポワントゥは一般的なブルボン種よりも含有カフェイン量が少なく、フレッシュでみずみずしい質感と甘さが特徴とされています。
ピンク色に熟すコーヒー「ピンクブルボン」
通常のブルボン種のコーヒーの実が赤色なのに対して、このピンクブルボンは実の色が薄くピンク色になることからピンクブルボンという名前がつきました。
コーヒーの木の病気として有名な「さび病」に対する耐性が強いことで知られています。
他のブルボン種同様しっかりとフルーティーさがありますが、中でもこのピンクブルボンはトロピカルフルーツやピーチといった華やかな香りと、まろやかな酸味が特徴です。
黄色に熟すコーヒー「イエローブルボン」
実が黄色に熟すのが特徴のイエローブルボンは、イエローティピカというティピカ種の一つとブルボン種を掛け合わせてできた品種です。
そのほとんどがブラジルで栽培されており、他のブルボン種に比べて、甘みが強くフルーティーながらもしっかりとしたコクがあるのが特徴です。
エルサルバドルの希少品種コーヒー「オレンジブルボン」
オレンジブルボンは、エルサルバドルにあるエル・モリノという農園で発生した突然変異種です。
完熟すると実がオレンジ色になることからオレンジブルボンと呼ばれています。
ブルボン種の中では一番希少性が高く、貴重な高級豆になります。
他のブルボン種とは違ったハーブやお花を思わせるような印象的な香りがあります。
柑橘系に近いフルーティーさと軽やかな酸味があり、後味はすっきりとした印象です。
ブルボン種のコーヒー豆の味わいや特徴とは?
ブルボン種のコーヒーは、滑らかなコクの中に軽やかなフルーツ感があるのが特徴です。
また芳醇な香りとしっかりとした甘みがあり、どの品種も全体的に飲みやすいものが多いです。
特に口に含んだ時の質感がとても滑らかで、最後まで余韻が楽しめます。
ピンクブルボンやオレンジブルボンなどの品種は、華やかでフルーティーなコーヒーが好きな人にはおすすめになります。
また苦味が控えめで飲みやすいものが多いので、コーヒー初心者さんにもおすすめです。
ブルボン種のコーヒー豆のおいしい飲み方
ブルボン種のコーヒー豆はエスプレッソでもドリップコーヒーなどのフィルターコーヒーでも、どちらでもおすすめです。
ミルクとの相性も悪くないので、色々な飲み方を試してお気に入りを見つけてみてください。
ただ、イエローブルボンやピンクブルボンなどフルーティーさが売りの豆が手に入った場合は、その繊細な味の特徴やフルーツ感が最大に味わえるドリップコーヒーがおすすめです。
また、同じドリップコーヒーでも金属フィルターを利用したり、フレンチプレスなどでコーヒーのオイルまで一緒に抽出すると、シルクに例えられるような滑らかな質感とコクが存分に楽しめます。
ブルボン種のコーヒー豆は通販でも買える!おすすめ3選!
ブルボン種のコーヒーは、希少種の豆でも比較的簡単に通販で購入することができます。
おすすめ3選をご紹介しますので、ぜひ試してみてください。
スタンダードなコーヒー「米本珈琲 ブラジルサントスブルボン」
こちらのブラジルサントスのブルボンは、比較的酸味が少なく味にまろやかさがあるのが特徴です。
しっかりとしたコクがあり、滑らかで飲みやすいものになります。
ブルボンの中でもベーシックなものからトライしたい場合はこちらがおすすめです。
パッションフルーツのようなジュース感「COFFEE MART63 コロンビア ピンクブルボン」
トロピカルフルーツのようなフレッシュ感が特徴のピンクブルボンですが、中でもこちらはパッションフルーツやレモンのような爽やかさと、クリーミーな濃厚さを兼ね備えた稀有なお豆です。
エチオピアなどフルーティー系のお豆が好きな人には絶対におすすめです。
アイスで飲むと、トロピカルフルーツティーやジュースのようなフルーティーさと甘みが存分に楽しめ、これがコーヒーなのか?と思うほどです。
ハチミツのような香り「エルサルバドル ディビナ プロビデンシア農園 オレンジブルボン」
こちらのオレンジブルボンはフローラルで華やかな香りと、口に含んだ後にしっとりと残るハチミツのようなしっかりとした甘さが特徴です。
ジューシーな質感で、青リンゴやライムのような繊細な酸味があります。
すっきりとした飲みやすいブラックが好きな方にはおすすめです。
ブルボン種の完熟したコーヒーの色は美しい!
色とりどりのコーヒーの実をもつブルボン種。
品種によって味や香りにかなり特徴があるので、ぜひ色々と手に入れて飲み比べをしてみましょう。
ブルボン種は基本的に飲みやすいものが多いので、お気に入りの味を見つけてみてください。